マリアの涙 ③

ぼんぐうサロンvol.8 をより楽しむために ③

マリアの涙、今回の第3回目のコラムが最後となります。前回のコラムに引き続き、1月28日に迫ったコンサートをより楽しんでいただくため、演目の解説などをお届け致します。

〜十字架に磔にされたイエスの傍で涙にくれるマリア
             その魂は悲しみの剣で貫かれた〜

悲しみの聖母 Giacomo Cestaro

この写真は今回の演奏会のチラシにも用いたものです。

皆さんも他にも『悲しみの聖母』というタイトルをご覧になられたことがあると思います。これはキリスト教美術の主題にも多くなっているので、美術館や教会でその絵画や像を見られた事があるかも知れません。

また音楽の世界だと、ペルゴレージ、ロッシーニ、ドヴォルジャーク、プーランクをはじめ、多くの作曲家がこの『Stabat Mater(悲しみの聖母)』にインスピレーションを受け、無数の傑作曲を世界中に残しています。

聖母マリアの悲しみの大半は愛する御子イエスの十字架での死に起因しています。
愛する我が子の死にゆく様をただ見ている事しか出来ないその苦しみは、想像に難くありません。

Stabat Mater 悲しみの聖母 G.F.Sances G.F.サンチェス


私たちが今回の取り上げた「悲しみの聖母」は、ジョバンニ・フェリーチェ・サンチェスの作品です。楽譜にはPianto della Madonna (マリアの涙)と題されており、この度のコンサートのテーマにもなっています。

G.サンチェスは1600年にローマで生まれ、後生はウィーンで活躍した作曲家です。自身もで宮廷礼拝堂のテノール歌手として名を馳せていました。また宮廷礼拝堂の楽長も務めており、数多くの宗教作品を残しています。

今回演奏する『悲しみの聖母』はソプラノ(またはテノール)と通奏低音のために書かれた、10分を超える大作です。曲の構成としては7つの部分に分かれており、4拍子と3拍子が交互に現れます。
4拍子の部分は語るように、3拍子の部分は半音階のバッソ・オスティナート(繰り返される低音)の上で憂いを帯びた旋律が歌われます。

前半は、苦しみ嘆く聖母マリアの姿を歌っており、繰り返し下降していく低旋律の一音一音が御母の胸に突き刺さるかのように私には聞こえるのです。また、イエスが絶命する瞬間を描いた箇所も、オクターブ以上の跳躍や休符によって非常に印象的に作曲されています。

後半は、それらの苦しみを共に嘆き、分かち合わせてくださいと願っています。また、「complaceam(御心にかなう)」「amorem(愛)」という単語の箇所には長く美しいメリスマが使われています。そして最後に出てくる「Paradisi(天国)」という歌詞は3回も印象的に歌われるのです。
本来はソロの曲ですが、今回の演奏会では2人の歌手で各節を歌い分け、時に重唱も伴う編成(特別バージョン!)でお送りいたします。

最後に、明日に迫ったコンサートプログラムを一足お先に大公開!

O dulcissime Jesu おお もっと優しいイエスよ   / G.Carissimi

Salve Regina  めでたし元后 / B.Gratiani

Nigra sum 私は黒い  / C. Monteverdi

Vulnerasti cor meum  あなたは私の心を奪った  / G.F.Sances

Si dolce è’l martire   私の甘美な苦しみ / C. Monteverdi

A piè della gran Croce  大いなる十字架の下で  / G.Frescobaldi

Stabat Mater  悲しみの聖母  / G.F.Sances

どの曲をとっても美しい名作ばかりです。どうぞお楽しみに♪

お読みいただきありがとうございました。

                    中川詩歩 田尻健

ぼんぐうサロンvol.8 『マリアの涙〜17世紀イタリアの祈りと嘆き』

2022年1月28日(金) 19時開演 (18時30分開場) 20時終演予定

[会場]メディアファイブ サロン

福岡市中央区薬院 1-1-1「薬院ビジネスガーデン」 6階 (薬院駅から徒歩1分)

[出演]
ソプラノ:中川 詩歩
テノール:田尻 健
テオルボ:太田 耕平

[チケット]
有料会員:2,000円  ※当日会場でも会員登録出来ます
一般:2,500円
学生:1,000円 ※受付にて学生証をご提示ください
予約申し込みフォームはこちら

ライブ配信:1,000円 
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