「なぁなぁ奥さん、知ってはる?ドイツで一番飲まれてる飲み物ってな、コーヒーやねんて。」
「いやぁそうかいなぁ、ビールとちゃうねんなぁ。」
皆様こんにちは!ぼんぐうバロック・フルート奏者の永野伶実です。
今回のコラムを担当いたします。
突然ですが、ドイツで一番飲まれている飲み物、冒頭の井戸端会議での1コマの通り、ビールじゃなくて、なんとコーヒーなんだそうです。
一人あたり年間153Lも消費されているというデータもあります。
10年前のことですが、私はドイツ・ブレーメンに留学していました。

留学中はたくさんアンサンブルで演奏する機会をいただきましたが、毎度リハーサルに時間通り来るのは日本人の私だけ。
ドイツ人を始めヨーロッパの子たち、なんなら指揮の先生まで5分、10分遅れてコーヒー片手に登場します。
その堂々とした振る舞いには、「私早く来すぎた…?」と思わせられるほど。
街中でもカップ片手に通勤、通学する人たちが行き交う日常がありました。
ヨーロッパの人々にとってコーヒーは日々の生活に欠かせないものなんですよね。

さて、11月29日のぼんぐうサロンコンサートでは、ドイツのバロック音楽を演奏いたします。
J.S.バッハのコーヒー・カンタータの中から、「ああ、なんと珈琲の美味しいこと」も演奏予定です。
一説によると、当時の人々にとってのコーヒーは、今で言う『煙草』に近い感覚だったそうです。
ドイツにコーヒーが伝わったのは1670年代。そこから大ブームとなっていきますが、当初は外から入ってきた飲み物に対して反発、 またコーヒーハウスにて身分を越えた人々が議論することによる政治的懸念などから反対運動が勃発したりと、はじめから全ての人にすんなり受け入れられたものではないようです。
J.S.バッハのコーヒー・カンタータは、コーヒー愛好家の娘と、反対派の父親の親子喧嘩が描かれています。
「コーヒーをやめないと結婚は許さないぞ!」という父親の台詞が飛び出すほど!なんてこった!
さて、18世紀のコーヒーってどんなものだったのでしょうか。
淹れ方は現在とは少し違ったようです。
当時はお鍋にすり潰したコーヒー豆を入れ、ぐつぐつと煮出し、その上澄みをすくって飲んでいました。
今で言うところのトルココーヒーの淹れ方に近いですね。
いつかこの方法で淹れたコーヒーを演奏と一緒にお楽しみいただけるバロックのコンサートができたらなぁ、なんて思っております。

さてさて、ここまで書いておいてなんですが、ワタクシ永野はよく珍しがられる”コーヒーアレルギー”でして(正確にはコーヒー豆に含まれるカフェインのアレルギー)、コーヒーが飲めません。匂いは大好きなのですが(涙)
ということで11月29日のコンサートでは、コーヒー・カンタータの演奏にて、コーヒーの香りを音でお届けいたします。
ちなみに今回のチェンバリスト、西野晟一朗さんはかなりのコーヒー通でございます。(私と真逆…!)
皆様のご来場を、出演者一同心よりお待ちしております!
永野 伶実

