今月初頭、カテリーナ古楽合奏団の九州ツアーが行われた。演奏会のタイトル「祝祭」には、当合奏団の創立50周年というメッセージも込められる。この国における「古楽黎明期」から現在まで、数知れぬ公演を通して間違いなく古楽界の発展の一翼を担って来た団体で、私も幼少のころに「子ども劇場」のイベントの中で彼らの音を聴いた記憶がある。その当時はよもや将来自分もその中の楽器の一つを専門に演奏することになるとは夢にも思っていなかったわけだが。。

「古楽」というと現在ではマニアックで学術的な印象を持たれがちだが、本来はより身近で大衆的な魅力を持ち合わせるものだと思う。カテリーナの活動はその普遍的な大衆性に振り切ったもので、当時の様々な楽器を多数取り揃えつつ、中世からルネサンスの音楽をプログラムの中心に据えた彼らの演奏は心からワクワクでき、またどこかに懐かしささえ感じさせてくれる。

今回のツアーは鹿児島、福岡、大分にて開催された。会場に入るとすでにたくさんの楽器がセッティングされていて、見るだけで楽しく、どんな音が聴けるんだろうと、子供のようにそわそわした気分になった。

開演。チリンチリンと、会場四方のスタッフが鳴らす鐘とともに出演者が登場。

踊りあり、歌あり、お客さんの手拍子・ハミングでの参加型演奏あり。後半にはスクリーンにブリューゲルの絵画が映し出され、さながら絵画の音を聴くような気分に。

終演まで本当にあっという間で、中世のシンプルな音符たちが様々な楽器によってこんなにも多彩な楽しみを与えてくれるのかと、楽譜だけでは読み取れない、当時の音楽の豊かさを感じさせていただいた。



終演後にはリーダの松本雅隆さんはじめ皆さまとお話しさせていただいた。お嬢さんである松本更紗さんのダンス(コミカルなパントマイムなどホントに多彩!)やパーカッションの蔡怜雄さんの演奏も素晴らしく、50年続く団体でありながらも世代交代もうまくなされているようで、その点においても感心させられた。

今後も末永く、古楽ファンのみならず子供たちや多くの皆さまに古楽の楽しみを伝えてほしい。
個人的には、「いつか共演してみたい!」という希望も沸々と沸き起こる、そんな素敵な演奏会の体験記でした。
(筆者:太田耕平)