ルネサンス音楽の楽しみ 【岩田耕作】

現在上映中の映画『レジェンド&バタフライ』には、濃姫役の綾瀬はるかさんがルネサンスリュートを弾く場面が出てきます。ルネサンス後期、16世紀は、ちょうど日本では戦国時代ということになります。このころ日本にやってきたバテレン人たちが演奏していたのがルネサンス音楽で、リュートなどの楽器も持ち込まれたことも考えら
れます。(濃姫が弾いていたとはちょっと考えられませんが)
ちなみに、音楽史では17世紀からがバロック時代とされています。今年のぼんぐうのコンサートは、ルネサンスからバロック、そして古典派へと、音楽の変遷を4回にわたってたどっていくプログラムを予定していますので、ついでにちょっと音楽史の勉強です。ルネサンスからバロックへの移り変わりが1600年ごろですので、仮に西軍(ルネサンス)と、東軍(バロック)としたら、そのの天下分け目の戦いが1600年だと覚えておいてください。バロックといえば、モノディー形式、オペラの誕生、器楽の発展などが特徴として挙
げられますが、逆にルネサンスとはポリフォニーを基調とした、声中心の音楽が特徴といえます。今回のコンサートでも、独唱だけではなく、ボーカルアンサンブルの織り成すポリフォニーの響きを楽しんでいただける曲をいくつか用意しました。また、リュートやギター、フルートといった器楽曲もこの時代は、マドリガーレやシャンソ
ンといった声楽曲をそっくりそのまま、器楽バージョンにアレンジしたり、リチェルカーレなどの声楽的なポリフォニー音楽が演奏されていました。そんな歌によりそった器楽、そして歌とのアンサンブルをお楽しみいただくとともに、2回目以降のバロック音楽との違いを感じていただければと願っています。

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