私とバロックオーボエの出会い

「なんでバロックオーボエを始めてみようって思ったとー?」


これはよく聞かれる質問なのですが、自己紹介がてらバロックオーボエとの出会いについて今回コラムに書いてみようと思います。

私は中学時代に部活でオーボエを始めました。元々はフルートをすると言って部活に入ったためオーボエは希望楽器ではなかったのですが、すぐに大好きになり先輩が居ないながらも本を見て勉強して、独学で練習…。その時からオーボエの歴史にも同時に興味を持ち、本やネットで調べていたように思います。
高校生の頃も友達から「今度、バロックオーボエの演奏会が北九州であるらしいよ!」と教えてもらって北九州まで聴きに行ったりもしました。
そんなこんなでバロックオーボエとの接点はあったのですが、始めるにいたらず…。


一番の大きな転機となったのは高校卒業の頃でした。
当時、私は音楽科のある高校に通っており、高校3年の卒業間近の頃にバッハ・コレギウム・ジャパンの定期演奏会でマタイ受難曲のリピエーノパートを高校音楽科の有志で歌わせていただくというとてつもなく貴重な機会がありました。
恐れ多くも、あの頃の私はそれがどんなに貴重な経験なのかよく分かっていないまま、演奏会のために東京へ向かいました。

初めてのオーケストラとのリハーサルの時。オーケストラの最初の和音がなった瞬間に、自分の中が変わるくらい感動してしまって、それと同時に「この空間の中に入りたい!」と心の中で強く思ったのを覚えています。


その後大学入学のため上京し、(今師事している)バロックオーボエの先生の演奏会に行き終演後に「バロックオーボエを勉強したいです!」と緊張しながら先生に言いに行きました。
始める前から、バロックオーボエをやりたい!と色んな人に言っていたので、始めた時は「お!やっと始めたんだね~!」と色んな方が言ってくださいました。
今考えると、18歳の高校生の時にこのような貴重な経験をさせていただけたこと、こんな素敵な世界があると知れたことは私にとって財産だと思うし、とても有難い経験だったと思います。
(今の私からすると本当に羨ましい限りです…!)

勉強すればするほど、他の時代の楽器についても知りたくなり勉強したり、、、バロックオーボエを始めたおかげで、オーボエと音楽がさらに好きになりました。

これからも自分の好きになったこの道で、常に研究しつつ演奏を届けられる音楽家となれるよう、真摯に日々を過ごしていきたいです。

<完>

関連記事

古楽情報カテゴリ

言語を選択